塩沢クリニック Q&A

Q.一般・生活習慣病

Q1.おなかの風邪をひいたときはどう対処したらいいですか?

Q2.風邪で熱が出る場合、抗生剤を飲んだほうが治りが早いと思うのですが・・

Q3.インフルエンザかもしれないと思ったらどんなタイミングで受診したらいいですか?

Q4.予防接種を受けたのにインフルエンザにかかることもあるんですか?

Q5.夫:妻は自宅でも血圧を測っているみたいなのですが、自分は忙しくて家では測っていません。やはり自宅でも測った方がいいのでしょうか

妻:私は家の血圧はいいのですが診療所で測るといつも高く出てしまいます。よく白衣高血圧と聞きますけどそのままで大丈夫ですか?

Q6.特に症状もないのですが、検診でよく血糖が高いと指摘されます。もし糖尿の気があっても境界型なら様子見ていていいですか?

Q.消化器・肝臓

Q.その他

Q.おなかの風邪をひいたときはどう対処したらいいですか?

A.おなかの風邪も大きく分けて細菌性とウィルス性とがあります。ほとんどがウィルス性であり、その場合の治療法は下痢や吐き気、発熱などに対する対症療法となります。細菌性の場合、ウィルス性よりも症状が激しいことが多く、特に腹痛が強い、腹膜刺激徴候がある時などは便の細菌検査と抗生剤投与を要します。ただし細菌性でない腸炎に対して抗生剤を使用すると、無効であるばかりでなく逆に下痢を増悪させることがあり投薬は慎重にする必要があります。

下痢、嘔吐などが見られるときは水分をこまめにとり、吐き気が強くなければ消化の良い食事をしましょう。時々水を飲むと下痢をするから飲まなかったという患者様がいますが、脱水状態となり腎障害を起こしたり感染を悪化させることがありますので水分摂取はとても重要です。

Q.風邪で熱が出る場合、抗生剤を飲んだほうが治りが早いと思うのですが・・

A.感冒症状や上気道症状を認める風邪の多くはウィルスによるものです。その場合は抗生剤治療は無効であり、症状に対する対症療法が治療になります。ウィルス性感染症はインフルエンザなど一部を除き有効な治療薬はなく、ご自身の免疫力にて治癒させる病気です。よって熱や咳、鼻水などのつらい症状の緩和が主な治療目的となります。

ただし、感染症が長引くと免疫力が低下しますので二次感染を起こし易い状態になります。その意味では抗生剤は二次感染を予防する効果があり、初期治療にて経過を見たものの改善せず長期化したり増悪する時は抗生剤投与が必要になることがあります。また、溶連菌などの咽頭扁桃部の感染症や、咳などの症状が強く気管支炎が疑わしい時は初期からの抗生剤治療が必要です。

以上より、診察の際に症状の程度や特徴的な所見の有無などから抗生剤投与の必要性を見分けます。抗生剤も体質によってはアナフィラキシーや肝障害、腎障害などを引き起こすことがありますのでむやみな使用は避けたいと考えます。

Q.インフルエンザかもしれないと思ったらどんなタイミングで受診したらいいですか?

A.インフルエンザの流行期は冬季で1月~2月にピークになります。感染経路は飛沫感染、典型的な症状は高熱、強い倦怠感、関節痛、頭痛などです。インフルエンザは発熱後6~8時間を経過しないと、迅速キットによる診断が不確定と言われています。つまり、感染していても検査が早すぎると陽性の結果が出ないことが多いのです。しかし、タミフルなどの抗ウィルス薬は発熱から48時間以内に治療をしないと効果が得られないため、受診が遅すぎても良くありません。その間であれば、鼻の奥の粘膜を擦る迅速診断キットを用いて正確な診断が可能となります。もちろんそれより早いけど熱が辛いという時には先に解熱剤などの処方をして、また何時間後かに再受診をしていただくという方法をとっていますので無理はせず受診していただければと思います。

Q.予防接種を受けたのにインフルエンザにかかることもあるんですか?

A.予防接種を受けたから感染しないということはありません。受けていても強くウィルスの汚染を受けると発症します。ただ、その際の症状が軽く済むのです。
流行期に、インフルエンザにしては高熱ではないけれど、予防接種をされていたり、家族内や職場に発症者がいるような時は相談の上で検査をします。それで陽性であったということはよく経験します。

Q.夫 妻は自宅でも血圧を測っているみたいなのですが、自分は忙しくて家では測っていません。やはり自宅でも測った方がいいのでしょうか?

妻 私は家の血圧はいいのですが診療所で測るといつも高く出てしまいます。よく白衣高血圧と聞きますけどそのままで大丈夫ですか?

A.受診時だけの測定になりますと、月に1度か2度のしかも外出時の血圧だけをみるということになりますので、正確な血圧評価は難しくなります。病院で高いからといっても家では30も40も低いということもあるので、簡単に薬を増やすことはできません。やはり大事なのは早朝に自宅で測る血圧ですので、できれば朝晩2回決まった時間に家庭血圧を測定し、血圧ノートに記載して受診の際に御持参いただくのが理想的と考えます。

奥様の場合は白衣高血圧だと思いますので特に心配はいりません。血圧も自律神経の影響を受けますので、診察時や外出先のように神経が緊張すると血圧は上昇します。血圧はだいたい朝が高く午後になると10~30くらい血圧が下がります。このように環境や気温、時間帯などで血圧は一日に変動を繰り返すものなのです。

Q.特に症状もないのですが、検診でよく血糖が高いと指摘されます。もし糖尿の気があっても境界型なら様子見ていていいですか?

A.糖尿病の診断基準は、空腹時血糖値が126mg/dL以上または随時血糖200mg/dL以上であり、HbA1c(NGSP)が6.5%以上や口渇、多飲、多尿といった症状や網膜症の存在も診断基準の項目に含まれています。

検診で血糖が正常値を上回っているということは少なからず糖尿病の可能性があるということになります。よく境界型とか糖尿の気があるとかいう表現が使われますが、それは診断の基準は満たさないまでもその一歩手前のグレーゾーンのことです。検査の前1ヶ月くらいの食生活や運動量などによってボーダー付近を変動しているような状態なので、逆に言うと今後油断すればいつでも正式な糖尿病になり得る状態ということです。

糖尿病は目に見えない病気であり、放置すると網膜症による眼底出血や腎機能障害、末梢神経障害、壊疽、尿路感染症といった怖い病気を引き起こします。症状がないからと放っておかず受診していただき、軽いうちから定期的な血液検査と食事運動療法をしながら経過観察をすることが重要です。

Q.腹部超音波をうけたいのですが予約制ですか?

A腹部超音波、頸動脈超音波、甲状腺超音波を平成27年の後半から予約制で開始いたしました。腹部超音波は食後ですと胃の残渣や空気などで見たい部分が見えなくなってしまうので、午前は朝食抜き、午後の場合は朝早めに軽食をとっていただき、昼食抜きで来院して頂きます。頸動脈と甲状腺は食事の制限は特にありません。

超音波は苦痛が無く体にやさしい検査です。10~15分ほどの検査時間をいただきますので、予約制とさせていただいております。お気軽にお問い合わせください。

Q.胃カメラは受けられますか?

A.平成28年6月から内視鏡検査を開始しました。当院では苦痛の少ない検査を行うため、経鼻内視鏡の最新機種を採用しております。予約制とさせていただいていますので、検査ご希望の患者様は受付にてお申し出ください。さいたま市の胃がん検診内視鏡も実施しています。

Q.食後のむかつきや痛みが続くのですが・・

A.このような症状は胃酸の逆流による食道炎の典型的な症状です。高齢者や肥満の方などでは食道と胃のつなぎ目のまわりの横隔膜がゆるみ、胃の一部が胸腔側へ脱出してしまう食道裂孔ヘルニアという状態になることがあります。そうなると慢性的に胃酸が食道に逆流しやすい状態が出来上がります。それが続くと食道に傷ができ逆流性食道炎といって慢性に経過をする厄介な病気になります。胃液の分泌を抑える薬と食べ物や胃液を逆流しないようにする薬を飲んで治します。

当院には胃酸分泌抑制薬や粘膜保護薬はもちろんのこと、機能性ディプペプシアや過敏性腸症候群の様な神経性の胃腸障害に対する消化機能改善薬も複数扱っております。予防対策は肥満にならないこと、食後にすぐに横にならないこと、ゆっくりとたべること、可能な限りストレスを避けること、暴飲暴食をしないことなどです。

Q.ピロリ菌って癌の原因になると聞いたんですけど、調べてもらえますか?

A.ピロリ菌を調べるにはまず胃カメラを受けていただき、ピロリ菌に感染していそうな胃であるかを調べます。疑わしければその場での迅速診断や病理診断、または血液検査で調べることもできます。結果が陽性であれば、治療としては抗生剤や胃薬を三種類組み合わせ一週間内服します。内服中は禁煙、多量の飲酒をしない、しっかり7日間のみ切るなどの制約はありますが、それで一時除菌治療は終了です。二、三か月程度してから尿素呼気試験などで治療効果判定を行いますが、もしもピロリ菌が除菌できていない場合は、二次除菌治療(一次除菌と少し異なる三剤の内服を一週間)が保険診療の範囲で認められています。

Q.血便が出たのですが、受診した方がいいですか?

A.消化管出血では、色が新鮮な赤に近いほど肛門など出口に近いところからの出血であり、色が黒っぽくなるほど奥の方からの出血といわれています。食道や胃のレベルからの出血であると、タール便と呼ばれる墨汁の様な黒色便になります。また、長く消化管内に停滞する方が黒に近くなってくるので、慢性的でゆっくりした出血や憩室内に血液が停滞したりする時は比較的黒っぽくなり、勢いのよい動脈性の出血などの場合は奥の方からの出血でも赤くなることが多いです。

タール便の代表的な疾患には逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌などがあります。

血便の代表的な原因は、まず痔核があげられます。トイレで紙で拭いたときに赤いのが付くとか、便に少し赤い血が付いたときなどは痔核のことが多いです。

その他に、急な赤い(もしくは赤黒い)血便の場合は大腸憩室出血、腹痛や下痢の後の血便の時は虚血性大腸炎、感染性大腸炎、少し前から続くような場合は大腸癌、潰瘍性大腸炎などが代表的な疾患です。

大量に出血してしまうと貧血になったり、ひどい時はショックになる場合もありますので、血便が出た時は受診していただき原因を調べる必要があります。

Q.検診で肝機能が悪いといわれたのですが、原因を調べたほうがいいですか?

A.肝機能障害があっても多くの場合は自覚症状がなく、健康診断で偶然発見されます。肥満やアルコール多飲がある方はだいたい脂肪肝、アルコール性の肝障害であることが多く、生活習慣の改善、ダイエット、節酒となりますが、一部の患者様で別の原因があることがあります。B型肝炎、C型肝炎などは症状がなく経過し慢性的に炎症が持続し、肝細胞が繰り返し壊されると線維化して硬くなり徐々に肝硬変へと進展します。そのため、慢性的に炎症が持続している時やウィルス量が多い時は治療が必要になります。また、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変のように無症状で潜んでいる病気はほかにもありますので、お酒のせいや脂肪肝だろうと決めつけずに一度原因を検査しましょう。

Q.昔から脂肪肝といわれ肝機能を指摘されます。あまりお酒は飲まないのですが、なかなか痩せられなくて。ただの脂肪肝なので大丈夫ですよね?

A.アルコールによらない脂肪肝は非アルコール性脂肪肝(NAFLD)と呼ばれ、その2割くらいは慢性炎症が持続する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)といわれています。NASHの50%は進行性であり、約10年で20~30%が肝硬変、肝癌へ進行するといわれますので、脂肪肝だからといって油断していると危険です。NASHはエコーや血液検査での評価が難しく、診断には肝臓の細胞をとる肝生検が必要になります。

また、アルコールを飲む人全員がこれに当てはまらない訳ではありません。個人差はありますがお酒は1日にそれぞれ日本酒1合、ビール大瓶1本、ウィスキーダブル1杯、ワイングラス1.5杯以下くらいの量ではアルコール性の肝障害を起こすことは少ないと考えられます。よってそれより少ない量なのに脂肪肝の方はNAFLD,NASHの可能性が高いということになります。

近年、C型肝炎患者の減少もあり、肝癌全体にNASHが占める割合が上昇しています。また、糖尿病患者に肝硬変や肝癌が多いということも注目されています。これはNASHの発症と関係があると考えられ、糖尿病によるインスリン抵抗性の上昇が関わっているとされており、メタボリックシンドロームに対する治療の重要性を再認識する必要があります。

脂肪肝は糖尿病と同様、現代を代表する生活習慣病であり、決して楽観視してはいけない病気です。食事、運動療法、ダイエットにより改善できる病気ですので、早い段階で日々の生活習慣を改善することが重要です。

Q.C型肝炎の治療がインターフェロン無しでできるって聞いたのですが。

A.2014年7月から経口抗ウィルス薬による治療が開始されました。それをきっかけに現在までにいくつかの経口薬による治療が認可されており、肝臓学会のガイドラインも適宜更新されています。現在ではガイドライン上もインターフェロンを基本とする治療よりも経口薬による治療(インターフェロンフリー抗ウィルス療法)を第一選択としています。効果の方も非常に優れており、ウィルスや患者さま側の条件(ウィルスの変異、腎機能障害の有無、肝予備能の程度など)にもよりますが、非常に高い奏効率が報告されています。

肝予備能の悪い肝硬変や肝臓がんがある方に対しては治療ができませんので、血液検査で肝臓の機能を調べ、腹部超音波で肝腫瘍や腹水の有無をチェックした後で治療を開始いたします。、12週間という短い期間を内服するだけで治療終了ですので、今までのインターフェロン主体の時代からでは考えられないような画期的な治療に変わってきているのです。

Q.お薬は院内でもらえますか?

A.当院は診察後すぐに処方が欲しいという患者様のご要望にお応えし、院内処方を採用しています。必要なお薬はだいたい置いているつもりですが、置いていないお薬の処方が必要な場合は、お手数ですがお近くの院外薬局へお願いする場合もあります。

Q.車で行きたいのですが駐車場はありますか?

A.当院は最大13台分の駐車場を併設しておりますので車でのご受診も可能です。